2019年度
国の施策で幼稚園類似施設は「認可外保育施設等」に分類され、無条件の無償化対象施設ではありません。就労支援に偏ることなく、真の幼児教育支援としてふさわしい法整備をお祈りください。
冬号 2020年3月20日
《巻頭言》
暖冬で始まった穏やかな冬学期は、新型コロナウィルス感染拡大に伴い一変してしまいました。 各ご家庭においても戸惑いが大きく、日々の生活においても心配が絶えない日々であることでしょう。 地域、国家間、社会、経済において、ますます希望が失われていくような状況において、人と人との関係性や信頼そして愛が失われる環境に、未来を築く子どもたちへの影響の大きさを、改めて考えさせられています。一刻も早い終息を願いつつ、こんな時だからこそ、普遍の聖書の言葉に耳を傾け、神様から愛と平安を頂き、信頼を回復できる環境が、子どもたちに備えられるようにと祈っています。 「主はあなたを守る方、主はあなたの右手をおおう陰。」詩篇121:5 愛児園においても学年末のこの時期は、Dさんが揃い、Aさんと共に過ごせる大切な日々を失ってしまい、本当に残念でした。今学期は年度末、ゆっくり過ごせるように、造形活動や合奏の準備を早めに進めていたので、予定していたことが、だいたい終わった後の休園だったことは感謝なことでした。 Aさんは引き続き分散登園を実施し、自分で描いた絵柄を縫い上げる卒園制作(刺し子)を根気よく仕上げました。卒園遠足は感染者の少ない静岡県(竜ヶ岩洞見学と浜名湖遊覧船乗船)へ行き、良い思い出作りが出来ました。 先月から歌っている『はじめのいっぽ』という曲には「勇気を出して大きく一歩あゆみ出せ」という歌詞があります。未知の世界への初めの一歩は誰も恐れをもつものです。愛児園で得た困難を乗り越える経験が、彼らの力となり、道標となることを信じて送り出します。希望の春は、もう間近です。 《チャペル》 冬学期は、「使徒の働き」からはイエスさまの証人となる素晴らしさを知りました。 またモーセの時代に礼拝を捧げる「幕屋」からは、イエスさまがどんなお方なのかを、興味深く学びました。 中国宣教拡大にために尽力し、多くの人に影響を与えた「ハドソンテーラー」は、数枚の絵を見ながら素話のようなお話でした。 10分を越えるお話なので集中を保つことは大変なはずですが、実話という力強い証しに、ワクワクしながら一生懸命耳を傾けていました。 みことば 「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」使徒の働き1:8 「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」ヨハネ3:16 「強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの行くところどこででも、あなたの神、主があなたとともにいるのだから。」ヨシュア1:9 みことばのさんび 『行きます!イエスさま』『ヨハネ3:16』『強くあれ雄々しくあれ』 …冬学期チャペルのみことば賛美は、振り付けと手拍子で元気良く歌いました。 《諸活動》 楽器指導&季節のうた 今学期の季節の歌は、季節感と心が温まる歌詞を楽しみながら歌いました。 合奏は「スケーターズワルツ」を選び、楽器ごとに練習を積み重ねました。 Aさんは大太鼓と小太鼓ピアニカ、Bさんはトライアングルとカスタネット、Cさんはタンバリンとスズを担当しました。 3拍子のリズムとキレイなメロディーを楽しみました。一つに合わせる楽しさは格別です。 1月『ゆげのあさ』…まどみちおさんのユニークな歌詞を楽しみました。残念ながら暖冬で湯気は…? 2月『はじめのいっぽ』…新沢としひこさんの素敵な歌詞と曲に合わせ旅立ちを応援、手話ができず残念 体 操 冬学期は縄体操AB「勇気のルンダ」C「巌の上のポニョ」の曲に合わせ、発達段階に合わせた縄の使い方を楽しみました。 縄を使って三角や四角形、リボンと同様に2人組の動き、法則性ジャンプなどは数学的思考性を使いながら動きます。 鉄棒と吊り輪にも取り組みました。意識的に体を仕えるようになり、新たなチャレンジに繋がる段階に成長しています。 ABさんは最後にパラウェーブに挑戦、フラッグやリボンで経験したことを基礎に楽しみました。 中あてドッジボールに取り組めなかったのは残念でした。Aさん、小学生になっても頑張って! 造 形 年度末の冬学期には、版画や土粘土や紙粘土を使用した粘土製作に取り組みます。 子どもたちには特別な体験です。Dさんは、お兄さんお姉さんの活動に興味津々、粘土版画は大喜びでした! 観察画…Aさんは「イカ」Bさんは「ヒヤシンス」Cさんは「キャベツ」を描きました。 個々の絵画表現も成長を実感しています。『観て描く』という姿勢が各々身に着いて来ました。 粘土製作…土粘土を使用しAさん「自分の顔」Cさん「器」Bさんは紙粘土の「花瓶」の製作をしました。 土粘土や紙粘土の感触を楽しみながら製作に取り組みました。 版画…子ども達はプリンティング大好きです。年齢別に異なった素材で版を作り、刷る工程を楽しみました。 〔A:死版画,B&C:スチレン版画,D:年度版画〕 最上部に |
秋号 2019年12月20日
《巻頭言》
寒暖差の激しく、体調の管理が難しい学期末となりました。 秋学期は愛らしいDさんを次々に迎え、秋の豊かな季節を楽しみながら、じっくりではなく、あっという間に過ぎ去ってしまいました。 子どもとの会話で時折ハッとさせられる時があります。園外保育の往復では猿渡川のほとりを歩くことが多いのですが、川に生息するアカミミガメの様子を横目にするのも一つの楽しみです。 初秋の園外保育の往路、あるお友達が「カメは歩くのが遅いって言うけど・・・本当は早いね」と独り言のように言いました。 確かにカメも動くときは意外にも素早いのです。観察の目が育っている子どもの方が、先入観に捕らわれずに、見たままを受け取れるのです。 イエスさまは「子どものようにならなければ」と語られました。まっさらな心で見て考えることの大切さを教えられた一コマでした。 先日のクリスマス会では園児劇、そして保護者による素晴らしい影絵と小学生の歌声がワンチームになって、作り上げることができたこと本当に感謝でした。 「ほしをみつめて三人の王さまのたび」には「三人は暗い道をゆっくりと歩きながら、自分たちはもうすぐやってくるクリスマスに誕生される神様の御子を見つけたようなとても暖かい気持ちでした」と結ばれています。 出来ない理由や都合で言い訳する大人には出来ない旅のように感じますが、ご自分を空しくしてしもべとなってださった優しいイエス様に、小さな応答に進み出る新年を迎えたいと思います。 「キリストは、神の御姿であられるのに、神としてのあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を空しくして、しもべの姿をとり、人間と同じようになられました。」 《チャペル》 秋学期は新約聖書からキリストのご生涯とキリストのたとえ話、また旧約聖書からは神様から選ばれたダビデ、神様から与えられた使命のために勇敢に働いたエリヤとエリシャ、困難な異国の地で勇気を失わずに歩んだダニエルやエステルを取り上げ、神様に従うことの祝福を学びました。 まだ幼いDさんも徐々にチャペルに慣れ、一緒になって一生懸命に聞き入る姿が見られました。 みことば 「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。」ヨハネ14:6 「主が彼とともにおられたので、ダビデは、行くところどこででも勝利を収めた。」Ⅰサムエル18:14 「御国が来ますように。みこころが天で行なわれるように、地でも行なわれますように。」マタイ6:10 「しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず、歩いても疲れない。」イザヤ40:31 「主にあって、その大能の力によって強められなさい。」エペソ6:10 みことばとさんび 『ヨハネ14:6』『Ⅰサムエル18:14』『マタイ6:10』『イザヤ40:31』『エペソ6:10』 …秋学期は5つの聖句を覚えて歌いました。振り付けや手話、軽快な曲調を楽しみました。 《諸活動》 楽器指導&季節のうた 今学期の季節の歌は、楽しいリズムとメロディー、そして歌詞を楽しみながら、歌いました。 合奏はディズニーで知られている「小さな世界」を全員で取り組みました。 Aさんはピアニカ、Bさんは大太鼓、小太鼓、ウッドブロック、スズを担当。 Cさんもカスタネットで頑張りました。 9月『ホ!ホ!ホ!』…不思議な歌詞とメロディーが古くならない感覚の歌で子どもたちは大好きです。 10月『秋の小人オータムタム』…オータムタムタムという響きと情緒的な詩が心に残る秋の歌。 11月『はっぱのことり』…秋になって色づいた葉っぱが小鳥になるお話の歌、しんみり歌いました。 12月『優しいイエスさま』『牧人羊が』…今回のクリスマス劇のテーマとなる賛美でした。 体 操 今年の公開体育は『いちについて』をテーマに掲げ、心と体の備えを意識することを心がけました。 CDさんのリズム体操「ゾクゾクうんどうかい」は不思議な雰囲気の曲でしたが、愛らしかったですね。 ABさんは子どもたちが大好きな「パプリカ」の曲に合わせ、リボン体操を楽しみました。 5人組のリボンの形がパプリカの花に合っていて、子どもたち自身も満足でした。 跳び箱、鉄棒吊り輪、平均台には選択の要素を取り入れ、自分の段階、チャレンジを大切にしました。 普段の園生活の一端を、保護者の方々と共有でき感謝です。 運動会後の体育は、ABさんは鉄棒吊り輪を継続、縄体操に着手、CDさんも縄体操と長縄に取り組みました。 お休みの間も寒い外でも体が温まる縄跳びに親子で親しめたらいいですね。 造 形 秋学期も混色あそび、粘土制作、観察画に取り組みました。 プレの時には淡色の絵具だったので、Dさんは混色に目がキラキラ輝いていました。 秋学期の作品は冬休み明けに掲示いたします。 ・カード作り…敬老の日プレゼントとしてカード作りをしました。写真の周囲をCさんは指のスタンプ、 Bさんは絵の具二色の混色をして縁取りしました。 Aさんは園庭に咲いていたコスモスの水彩画で絵てがみを作成郵送しました。 ・粘土…Aさん「木」Bさん「お弁当」Cさん「果物」…身近な題材も立体的に表現するのは新鮮でした。 ・観察画…Cさんは「ザクロ」Bさんは「サンマ」の観察画、Aさんは「教会」の写生に取り組みました。 最上部に |
夏号 2019年7月22日
《巻頭言》
今年は冷夏という声も聞いていますが、数年続いた猛暑の夏に比べると過ごしやすく、夏休み直前という感じがしません。 洗濯物が乾かず、ため息交じりに空を見上げてしまいますが、雨雲の向こうにある太陽が顔を出し、この地を照りつけるのも、間もなくのことでしょう。 少人数の愛児園をご覧いただき、外部の方から「家族ですね」と言われたことが何回かありますが、今年の愛児園を一言で表すと、家族のような温かい関係だと思っています。 可愛いけれど自立心旺盛なDさんを、お世話したくて寄り添い、一層縦割りの家族的な雰囲気を醸し出しています。 Dさんは吸収期なので、「お兄さんお姉さんとして、良いお手本になってね。」と声掛けするも、そのものを真似てしまうので、見ていて面白いです。 2歳児だけではなく子どもは環境にあるものを、そのまま吸収していくと言われています。 「愛児園ごっこ」をしている子どもたちの様子は、自らを顧みる鏡と受け止めていますが、言語化ということを日々問われています。 生活の一瞬一瞬の取捨選択はもちろんのこと、何を願うのか、ということも大切にしています。 チャペルのお祈りでは、被災地のため、沖縄のため、隣国との関係、選挙や政治のため、子どもたちの心に届く言葉で伝え、視野を広げて祈れるように努めています。 明日の世界を作っていく子どもたちの良き環境となれるように、祈り求めます。 《チャペル》 Cさんも聖書のお話を楽しめるようになったので、姿勢を保つことができるようになりました。 Bさんも理解力が増し、ストーリーの概要を自分の言葉で話したり、登場人物の名前をよく覚えている様子に、成長を感じます。 今学期は旧約聖書から創世記の天地創造、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、ヨシュア、士師、ルツの生涯を通し、偉大な神さまの真実と導きを学びました。 先週から秋学期前半にかけては新約聖書から「キリストのご生涯」を取り上げ、人となられたイエス様のご生涯から神様の愛を学びます。 みことばとさんび 4月「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。」創世記6:22 「わたしは、あなたと約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」創世記28:15 5月「あなたにはわたしの以外に、ほかの神々があってはならない。」出エジプト20:3 6~7月「私たちは私たちの神、主に仕え、主の御声に聞き従います。」ヨシュア24:24 7~8月「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。」マタイ4:4 《諸活動》 楽器指導&季節のうた 今学期は、Bさんは待望のピアニカで「チューリップ」「ほたるこい」Aさんは「ワルツ」の二部合奏に取り組みました。 ピアニカはタンギング(舌で音を切る)を大切にして指導しています。Cさんは「おもちゃのチャチャチャ」の曲に合わせてスズ(リズム打ち)楽しみました。 季節の歌は、歌詞を味わいながら楽しみました。 4月『そらでえんそくしてみたい』…空や雲の様子を幻想的な歌詞で物語のような歌を楽しみました。 5月『せっけんさん』『はしるのだいすき』…まどみちおさんらしい歌詞とタイトル通りの雰囲気の歌。 6月『ぺんぎんちゃん』『あめ』…ペンギンの歩き方や雨の音に合ったリズムや言葉の響きを楽しみました。 7月『えいえいおー!』…とても長くリズムも難しいのですが、エイエイオーを楽しんでいます。 体 操 今年度のリズム体操は『マスカット体操』に取り組んでいます。ゆずの軽快なリズムと歌詞がワクワク感のある曲です。 テンポが早いのでCさんには難しい動きもありますが、マスカットに合わせたポーズや面白い動きを楽しんでいます。 この体操を通して子どもたちは、マスカットを身近に感じるようになったようです。 主運動としてABさんは4~5月マット(a:坂道前転b:前転)、6月跳び箱(B高い段でよじ登りジャンプA開脚跳び越し)、7月鉄棒と吊り輪(A前回り降りB尻上がり)。 Cさんは4月基本運動、5月マット(横転)、6月跳び箱(よじ登りジャンプ)、7月鉄棒と吊り輪(足掛け回り)に取り組みました。 夏期クラスでは「プール」も発達段階に合わせて取り組み、水に親しみます。 造 形 4月 母の日プレゼント「植木鉢の模様描き」…特殊なパステル塗料を綿棒で模様を描きました。 5月 観察画C「ヒルザキツキミソウ」…初めての観察画は教会敷地に咲いた初夏を彩る優しい花。 観察画A「初夏の花」…アイリスなど複雑で立体的な花のシルエットを観察して描きました。 6月 粘土製作A「動物」…図鑑を見て選択し、よく見て動物の特徴を捉え立体的に作りました。 父の日プレゼント「スマホ立て」…水彩絵の具で彩色、帆の模様描きはC綿棒AB割り箸ペンで。 観察画B「ブラックベリー」…毎年楽しみなブラックベリーの収穫。赤と緑で彩色しました。 7月 粘土製作B「ザリガニ」…作った頃はザリガニが見つけられず、図鑑を見て特徴を捉えてました。 粘土製作C「夏野菜」…ゴーヤ、アスパラ、ナスを見ながら手をいっぱい使って製作。 上記以外に、今学期は二回ずつ透明水彩絵具の混色あそびに取り組みました。 Cさんは個別に提示して絵具や用具扱い方に親しみ、Bさんは準備~片付けまでを自分できるように促し、そしてAさんは憧れの3色となり2色とは違った色合いを楽しみながら取り組んでいます。 来月には春夏学期の作品展示予定です。 最上部に |